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短時間の仮眠でも要注意! アイドリングしながらの車中泊に潜む危険とは?
秋の日は釣瓶落とし。はやくも太陽が沈み、目的地はまだ遠い。しかし、睡魔が襲ってくる・・そんな時、最も安全な選択は、車を止めて寝ることです。しかし、アイドリングしながら車中泊するのはなんだか気がひける・・そんな経験はありませんか?
Contents
そもそもアイドリングとは?
アイドリングとは、車のキーを回してエンジンを始動し、パーキングギアーで居続けることです。タコメーターは低いrpmレベルを示し、カスタムマフラーでない限り、大量のノイズが発生することはありません。
フライホイールはエンジンと直接繋がっており、フライホイールとクラッチディスクがくっついたり離れたりすることで動力を伝達・遮断しています。アイドリングはクラッチが接続されていないため、エンジンに負荷はかかりません。エンジンは、運転中ほどストレスを受けていません。
アイドリングのしくみ
自動車はガソリンや軽油を燃料とし、下記の4つの工程によってエンジン内で発生したパワーで走ります。
ピストンが下がり吸気バルブが開く
エンジン内の部品の1つ「クランクシャフト」が回転すると吸気バルブが開きます。するとピストンが下がるので、燃料タンクから送られてきたガソリンや軽油、空気などがシリンダーに送り込まれます。
自動車が加速する時はピストンが大きく下がり吸気量が増えるので、大きいパワーが生み出されるのです。
ピストンを押し上げ混合気を圧縮する
更にクランクシャフトが回転すると、ピストンが上がり燃料と空気が混ざった「混合気」が圧縮され、混合ガスとなります。
点火プラグからの火花で爆発を起こし自動車を動かす
圧縮されて発生した混合ガスに点火プラグからの火花で着火し、爆発が起こります。この爆発によって混合ガスが膨張されることでピストンが降下し、クランクシャフトが推進軸の回転に働きかけ、自動車を走らせるのです。
排気バルブが開き混合ガスを排出する
更にクランクシャフトが回転すると排気バルブが開き、燃えた混合ガスが排出され、ピストンが上がります。この排出された混合ガスが「排気ガス」であり、二酸化炭素や炭化水素、窒素酸化物、一酸化炭素が含まれています。
この一連のピストンの上下運動がエネルギーとなり、自動車を動かす力となっています。つまり、アイドリング状態ということはエンジンを低回転のまま動かしていることになりますが、エンジンへの負荷はないものの、走らせていない状態ではエンジンが「不完全燃焼」の状態になっています。 結果的に、燃えかすが出てきてしまいエンジン内部の汚れが落ちない状況になります。
一晩中のアイドリングはエンジンに悪いの?
車を一晩アイドリングする程度であれば、エンジンにとってはそれほど悪くはありません。一晩ぐらいならアイドル状態で車が壊れることはありませんが、連日一晩中アイドル状態で車中泊していると、エンジンにダメージを与えるかもしれません。
しかし、きちんと対策しないと自分の体調不良や自身に危険が迫ることも
本格的なキャンパーは別として、居眠り運転防止のための仮眠や、早朝からのイベントに備えて早めに会場入りしての仮眠など、わりと短時間〜数時間まで、クルマの中で泊まったことがある人はけっこういるはず。しかし、この車内での仮眠や車中泊は気軽ではあるが、隠れたリスクもあります。
アイドリングで車中泊するリスク
冬は暖房、夏はエアコンを使うため、エンジンをかけっぱなしにして、適温を保とうとする車中泊の場合これが一番危険です。寝ている間に、雪でマフラーが塞がれ、排気ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒で死に至るケースは毎年のように報告されています。
冬場は雪でマフラーの出口がふさがれ、車内に排ガスが逆流してくることがあります。また外気温が寒いことで触媒の浄化作用が低下するので、就寝時は必ずエンジンを止めておくこと。また運転席で仮眠していて、無意識のうちにアクセルを踏んで空ぶかし状態が続き、それが原因で車両火災が起きた事件も発生しています。JAFのテストでは、静止状態で高回転が続くと、10分もしないうちに出火したという結果が出ています。
とくに、駐車した場所が、アスファルトやコンクリートではなく、芝生や草の生えている空地だったりすると、余計に危ない。長時間のアイドリングは、周囲にも多大な迷惑をかけることにもなるし、環境・燃費面でも大いにマイナス。起きたらガス欠で動けなくっている可能性だってゼロではない。寝るときは、エンジンを確実に切って、寝袋やブランケットなどを用意して、空調なしでも身体が冷えないように工夫しよう。とくに、駐車した場所が、アスファルトやコンクリートではなく、芝生や草の生えている空地だったりすると、発火する危険もあります。
長時間のアイドリングは、周囲にも多大な迷惑をかけることにもなるし、環境・燃費面でも大いにマイナス。10分間のアイドリング(ニュートラルレンジ、エアコンOFFの場合)で、約130ccの燃料を消費します。つまり、1時間で約780cc、1時間半で約1170ccもガソリンを消費することになるのです。起きたらガス欠で動けなくっている可能性だってゼロではありません。寝るときは、エンジンを確実に切って、寝袋やブランケットなどを用意して、空調なしでも身体が冷えないように工夫しよう。
車中泊のエコノミークラス症候群
車内で一晩過ごすような場合は、できるだけ横(水平)になって、足が伸ばせる恰好で寝ること。衣類もベルトなどをゆるめ、できるだけゆったりしたものにして、水分をこまめにとることを忘れずに。タバコも血管を狭める作用があるので、できることなら控えたいです。長時間ずっと狭い場所に同じ姿勢でいると、脚の血流が悪くなって血管内に血栓ができるエコノミークラス症候群になるリスクがある。最近は、「ロングフライト症候群」とも呼ばれているので、キャンピンカーのようにゆったり足がのばせる環境が望ましい。ホワイトハウスが発売する、シトロエン「ベルランゴ」、プジョー「リフター」で車中泊を楽しめる「CAMP STAR」シリーズから、キャンパーでなくても、」車内に装着できる「スライディングベッドキット」や就寝スペースを拡張する「チャイルドベッド」なら、手軽に就寝スペースを確保できます。
日本だからと油断せず襲われないような対策も重要!
万が一の車上荒らしなどへの対策
残念ながら日本も物騒になってきた。車中泊をする場合、すべてのドアを確実にロックして、できればサンシェードやカーテン、タオルなどを使って、車外から、クルマの中の様子が見えないようにして眠りたいもの。
もちろん貴重品やバッグなども、車外から見えないところに隠すこと。あまり人気のないところ、真っ暗なところ、治安が悪そうなところ(駐車場内に、タイヤのスリップ痕があるとか、不法投棄されたゴミが多いところなど)を、車中泊の場所に選ばないのが重要。携帯電話の電波が届くところで、出入り口が2カ所以上あるところなども、大事なチェックポイントになる。また、スマートレコのような駐車監視モードのあるドライブレコーダーなら不審者が接近すると人感センサーが働くので安心です。
迷惑にならない場所を選ぶ
安心して車中泊できそうな場所はかなり限られていて、高速道路のSA・PA、道の駅などが一般的ですね。ただし、長時間駐車お断りの施設もあるし、観光バスなどが休憩に立ち寄って乗客がガヤガヤ降りてきて、安眠が妨害されることもあるので駐車スペースは吟味することも必要。また、安眠と安全のためにも平地を選んで駐車し、サイドブレーキをきっちりかけておくことも大切です。
商業施設や住宅地では、特別な許可でも得られれば別だが、基本的に避けるべき。RVパークなどもあるので、そうした情報を参考にしましょう。当然、公共の場所を拝借するのでマナーも大切。音を出さない。排ガスを出さない。ゴミを出さない。動線を塞がない。トイレや洗面所のマナーを守るなどの心配りも大切です。
季節ごとの対策も必要
車中泊は、基本的にアウトドアの延長というか、アウトドアの一部といえます。冬は前記の通り寒さ対策が必須で、夏は熱中症対策(車載専用クーラークールスターなど)と64ネットなどでの虫対策、春は花粉症対策、梅雨には湿気対策といろいろ準備が欠かせない。手軽ではあるが、あまり気軽に考え過ぎると車中泊がきっかけで体調を崩したり、そのほかのトラブルを引き起こすこともあるので、仮眠も含めて安易に考えず、それなりに準備を整えたうえで車中泊を楽しみましょう。