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プジョー・リフターとシトロエン・ベルランゴ、オペル・コンボの三兄弟!進化するユーロバンの系譜!
2018年にフルモデルチェンジしたシトロエンのLCV、ベルランゴ バンは、1928年にデビューしたタイプC4バン(現在販売されているC4とは別物となる戦前のモデル)をルーツとしており、シトロエンの商用バンとして100年近くの歴史があります。このC4バンに源流があるユーロバンは、PSA・プジョーシトロエンとフィアットグループが手がけている欧州専売のピープルキャリア(MPV、ミニバン)の総称です。
それぞれの車名は、初代モデルがシトロエン・エバシオン/シナジー、ランチア・ゼータ、プジョー・806、二代目モデルはシトロエン・C8、ランチア・フェドラ、プジョー・807となっており、フィアットブランドのみ、初代・二代目ともフィアット・ウリッセとなっています。
そしていま、次世代のユーロバンとして注目されているのが、プジョー・リフターとシトロエン・ベルランゴの兄弟車です。正確には同じPSAグループで2021年からの日本市場への再上陸をアナウンスしたオペルのコンボ/コンボライフも加えると三つ子車になります。プジョー・リフターとシトロエン・ベルランゴはもともと商用バン仕様がメインの商品ですが、ホワイトハウスキャンパー のラインナップであるリフター シエルとベルランゴ ソレイユは、乗用のレジャービークル仕様をベースにしていて、ちょうど「ルノー・カングー」のライバル車にあたります。
ベルランゴと同じく、プジョーリフターも実質は通算3代目です。ただ、これまでの2世代の車名が「パルトネール(パートナー)」だったのに対して、この最新型にはリフターという新車名(商用バン仕様はパルトネールのまま)が与えられました。
ブランドごとにつくり分けたSUV仕様
リフターのハードウエアは車体のプレスパネルまで含めて、ベルランゴとほぼ同一ですが、今のプジョー・シトロエンはブランドごとのつくり分けを得意とするメーカーなので、そうした共用している基礎部分以外は、リフターとベルランゴではことごとく差別化されています。
たとえば、バンパーからヘッドライト、グリルといったフロントマスク部分は全くの別物という印象です。さらにリアバンパーやテールランプの内部デザインも当然ながらそれぞれ専用デザインです。
リフターのサイドビューは、サイドシルやホイールアーチにクラッディングを施して、独自のSUV風仕立てとなっています。
デザインのキー・シグネチャーとなっているエアバンプ風プロテクターが特徴的なベルランゴとは完全に別のクルマに見せているが、よくよく観察すると、スチールのプレスラインは両車で共通だったりする。
もっとも、リフターが意外なほど本格的な雰囲気をただよわせるのは、じつはそれがクラッディング加飾(や前後バンパーデザイン)によるものだけではないからだ。215/60R16というタイヤはベルランゴより大径のリフター専用サイズで、しかもSUVらしいオールシーズンタイヤの設定になっています。
タイヤ径が約30mm大きいリフターの地上高が、ベルランゴのそれより拡大しているのは見た目にも明らかです。
インテリアに目を移しても、そこは超小径オーバル形状ステアリングと、スポーツクーペばりに強く傾斜した立派なセンターコンソールによる「i-Cockpit」となっていて、レイアウトやダッシュボードの基本形状はベルランゴと同じながら、乗車感覚はもうプジョーらしさが感じられます。